ログは保全だけのものではない¶
──製造業・FA 設備における履歴設計
「何が起きたか」だけでなく「誰が何をしたか」を追跡できることが、今後の設備設計の重要要件になる。
ログが必要な理由の拡張¶
| 従来の認識 | 本来の価値 |
|---|---|
| 障害保全(何が壊れたかを知る) | トレーサビリティ(誰が何をしたかを追跡する) |
| 機器の故障履歴 | モード切替・強制出力・リセット・レシピ変更の操作履歴 |
| ローカルな記録 | セキュリティ監査(誰がいつリモートアクセスし何を変更したか) |
「誰が変更したか」が分からない問題¶
-
タイマー設定・閾値の変更履歴がないと原因追跡が困難
-
品質問題発生時に「どの設備で加工したか」が分からないと対応できない
-
複数オペレーターが作業する環境では変更者の特定が重要
AAA の概念を設備設計に適用する¶
| 概念 | IT 分野での意味 | FA 設備への適用 |
|---|---|---|
| Authentication(認証) | 誰であるかの確認 | 操作員ログイン・IC カード認証 |
| Authorization(認可) | 何ができるかの許可 | 役職別操作権限(設定変更は管理者のみ) |
| Accounting(記録) | 何をしたかの記録 | 操作ログ・変更履歴・アクセスログ |
規制動向(EU)¶
-
EU 機械規則: 設備の操作・変更履歴の要件が強化される見込み
-
サイバーレジリエンス法(CRA): FA ネットワーク接続設備に対するサイバーセキュリティ要件
-
リモートアクセス普及により「誰がいつ何をしたか」の記録が法的要件になりつつある
要点¶
-
製造業のログは「故障した」だけでなく「誰が設定を変えた」「何を加工したか」も対象にすべき
-
AAA(認証・認可・記録)の概念を設備設計に取り込むことでトレーサビリティが確保できる
-
EU 規制の動向から、ログ設計は今後の設備開発の必須要件になる