iPadではなく、あえて紙に書く理由。OpenAI CEOサム・アルトマンの“書き方”とは?(原文)¶
YouTube: (URLを教えてください)
iPadではなく、あえて紙に書く理由。OpenAI CEOサム・アルトマンの“書き方”とは?
AIが文章を生成し、誰もが瞬時に情報へアクセスできる時代。僕たちの思考は、かつてないほど混乱しやすくなっているのかもしれません。言葉がうまくまとまらない、考えが整理できない。そんな感覚を覚えることはないでしょうか。
この情報過多の時代において、1冊のノートとペンという極めて原始的なツールこそが、思考を整理し、深めるための最も強力な武器になりうるかもしれません。
これまでにも電子ペーパーデバイスやスマートペンなど、書くことにまつわる様々なテクノロジーを検討してきました。しかし、探求の末にたどり着いた「書くこと」の現在地について、改めて整理してみたいと思います。そのきっかけとなったのは、偶然目にした、OpenAIの創業者サム・アルトマン氏の対談動画でした。
David Perell
@david_perell
·
2024年9月24日
Sam Altman's spent years refining his note-taking process. Here's exactly what he does.
0:01 / 1:43
AIのトップランナーが語る「書くこと」の本質
AI革命の中心にいる彼が、なぜ今「書くこと」の重要性を説くのか。その事実に、強い興味を惹かれました。彼は対談の中でこう語っています。
Sam Altman's Method for Clear Thinking「書くことは、思考をより明確にするためのツールだ。もし、もっと良い方法があればそれに切り替えるが、今のところ見つかっていない」
これは、単なる懐古主義ではありません。頭の中で渦巻く曖昧な思考を、一度紙の上に「外部化」する。そうすることで、アイデアは可視化され、矛盾や盲点に気づきやすくなるのです。
彼の経歴を見れば、その言葉の重みがより明確になります。世界的スタートアップアクセラレーターYコンビネーターの代表として、Airbnb、Dropbox、Stripeといった革新的な企業を初期段階から支援してきた。その後、OpenAIを創業し、AI産業全体を牽引する立場にある。そうした多岐にわたるキャリアの中で、彼が一貫して重視してきたのが「書く」という行為なのです。
書く者と書かざる者
Writes and Write-Nots paulgraham.com
彼が強調するのは、AIがどれだけ進化しても、アイデアを生み出し、AIに何をさせるかを考える「問い」の重要性は変わらないという点です。そして、その思考力を養う上で、「書く」という行為は決定的な役割を果たし続ける、と。これは、AI時代における人間の本質的な価値が何かを示唆する、極めて重要な指摘だと考えます。
完成させないノート、アイデアを育むための道具
では、彼は具体的にどのような道具を使っているのでしょうか。意外にも、そのこだわりは非常にシンプルでした。
uni-ball Roller Pens
無印良品 ゲルインキボールペン ブルーブラック
クラフトカバー レイフラット スパイラルノート
| スパイラルノート | ページを平らに開き、簡単に破り取れるから |
| ハードカバー | 立ちながらでも安定して書けるから |
| ポケットサイズ | いつでもどこでもアイデアを書き留められるから |
| 書き心地の良い紙 | 思考のフローを妨げないため |
そして、彼が使っているペンは、日本の「ユニボール」や「無印良品」のものでした。高価な万年筆ではなく、誰もが手に入れられる、ごく普通のペン。その理由はただ一つ、「書きやすいから」です。
ここで最も興味深いのは、「完成されたノートは持たない」という思想です。ページを気軽に破き、アイデアを並べ替え、組み合わせる。ノートは綺麗に書き残すためのものではなく、思考を育み、発展させるための、流動的な実験場であるべきだ、と彼は言います。
これは、多くの人が「ノートは丁寧に使うべき」という固定観念を持っていることとは、全く異なる発想です。むしろ、アイデアの生成過程を重視し、その過程を柔軟に変化させることに価値を見出しているのです。
試行錯誤の末にたどり着いた、究極の組み合わせ
サム・アルトマン氏の哲学に触れ、僕は自身のツール選びを根本的に見直すことにしました。これまでiPadや様々なサイズのノートを試してきましたが、常に持ち歩き、思考の瞬発力を逃さないためには、もっとコンパクトで機動的なスタイルが必要だと感じたのです。
試行錯誤の過程で気づいたのは、ノートが大きすぎると、結果として持ち運ぶ頻度が低下するということです。机の上に置きっぱなしになり、外出先での思考の記録という本来の目的を果たせなくなってしまう。逆に、小さすぎるノートは、書き込む際の安定性が損なわれます。
そして、試行錯誤の末にたどり着いたのが、ロルバーン(Rollbahn)のミニサイズノートと、パイロットのアクロシリーズのペンという組み合わせでした。
デルフォニックス ロルバーンポケット 付 メモ ミニ ブラック
パイロット ボールペン アクロ500 アクロボール 0.3mm
ロルバーンの少し太めのダブルリングには、アクロシリーズの短いペンが驚くほど綺麗に収まります。ペンホルダーのようにかさばらず、一体感がある。そして、iPhoneとほぼ同じサイズ感は、ポケットに忍ばせておくのに最適です。
「ロルバーン」はドイツ語で「滑走路」を意味するそうです。この一冊から無限の世界を広げていってほしい、という創業者の思いが込められているとのこと。まさに、旅するように日常を送り、発見や思考の断片を書き留めていく。そんなスタイルに、これ以上なくフィットするコンセプトだと感じています。
思考の道具としての「書く」を取り戻す
テクノロジーが進化し、あらゆるものが便利になる現代。僕たちは、ある意味で人間本来の能力を少しずつ手放しているのかもしれません。しかし、だからこそ「書く」という行為の価値は、相対的に高まっているのではないでしょうか。
思考が停止したとき、行き詰まったとき、あるいは新しい発見があったとき。さっとノートを取り出してペンを走らせる。その瞬間に生まれるのは、単なる文字の羅列ではありません。それは、あなた自身の思考の航跡そのものです。
AIが何をするかを決めるのは、最終的には人間の思考力です。そして、その思考力を鍛え、深める最も基本的で、最も有効なツールが「書く」という行為である。この認識が、今の時代だからこそ、改めて重要になっているのだと考えます。
この記事が、皆さんが改めて「書くこと」の価値を見つめ直し、自分だけの思考の道具を見つけるきっかけとなれば幸いです。
ばいちゃ
iPadではなく、あえて紙に書く理由。OpenAI CEOサム・アルトマンの“書き方”とは? YouTube